1日目 夜明け前(後)(0歳)


(前回のあらすじ:夜明け前に破水と陣痛がやってきた。午後2時頃、産声が聞こえてきたのだった!)

「あーー、んあーー、ああぁーー!」
とうとう我が子が外の世界に飛び出し、肺呼吸を始めた!

立会い出産ではなかったので、誕生時のイメージ画像を貼っておきます。

(この画像は『バキ』の勇次郎が生まれた瞬間。「俺を取り上げろ!」「失敗は許さん!」まだ言葉が話せないので直接産科医の脳に語りかけている。)

看護婦さんが「おめでとうございます!玉のような男の子ですよ!」と呼びに来てくれるのを待っていたが、色々と大変なようで誰も俺のところには来ない。
出産後は、後処理というのが色々とあるので、勝手に分娩室に入ることもできない。

しかし、力強い声は聞こえてくる。「んあーー!んあーー!」
これが、声。わが子の声…!

とうとう我が子と対面

絶え間なく注ぐ愛の名を、永遠と呼ぶことができそうなほど長く感じられるような15分が過ぎて、ようやく対面。3,600グラムの元気な男の子だった。
赤ちゃんは、赤ちゃんというだけあって本当に赤い。
そして出産という大仕事を終えた妻は、白い。透き通るように白いというか、真っ白に燃え尽きている…?

「おい、大丈夫か。顔白いぞ」
「……。」(返事する気力がない)

参考画像:六甲のおいしい水 2000ml

この時は知らなかったが、あとで聞いたところによると出産時に2000ccもの出血があったそうだ。
2000cc…。2000cc!? 2リットルペットボトル並の血が流れたということか。もう少し出血していたら輸血していたかもしれない、とのこと。改めて、「お産」というのは命をかけた一大事であることに気付かされた。母子ともに無事でよかった…。

黄色い帽子

この画像は育児ブログ『にっき親』メンバー限定です

さて赤ちゃんは、カンガルーケアを終え、黄色い簡易的な帽子を頭にかぶって横のベッドに寝かされている。
「なんだ、この帽子?」
なんだか帽子のゴム部分が、赤ちゃんの頭を圧迫しているような気がして帽子を脱がせてみた。
赤ちゃんの頭は、血の湿り気を帯びた髪の毛でくるくるのもじゃもじゃだった。
そして、頭の一部分がボコっととがっていた…。

「あ、それ吸引かけたから。しばらくしたら元に戻りますよ~」
赤ちゃんが生まれてくるときに、頭が出た状態からなかなか進まなかったので、巨大な吸盤状のものを頭につけてスポっと引っこ抜いた、その時の影響とのこと。
(『ママはテンパリスト』のごっちゃんも最初そうでしたよね。)
わー頭がボコってなってる
まあ、治るんだったらいいか。ちょっと気になるけど…。
くせっ毛かもしれないけど、まぁ男の子だしいいか。
あとなんか目がすごい細いけど、まぁ男の子だし。
など、無事生まれたことに少しほっとして、容姿の事を色々気にし始める俺。

(帽子は、赤ちゃんの頭の保温のためにかぶせていたそうだ)

新生児の頼りなさに不安になる

しかし、赤ちゃんの体は温かい、というイメージがあったのだが、なんというか赤黒くて、手足がぺったりと冷たい。大丈夫だろうか。寒くないか、この部屋?
それにさっきは元気に泣いていたのが、今は何の音も立てずにピクリとも動かない。おい、大丈夫か。ちゃんと息しているか?
……。ああ、大丈夫だ、かすかに寝息が聞こえる。

突然目の前に現れた「自分の子供」「赤ちゃん」という存在が、あまりに弱々しくて頼りなくて、いちいち不安になってしまう。

しかし、確かに生きている。
ちっちゃいちっちゃい赤ん坊だって、必死で必死で生きているのだ。

僕らもできることを必死で見つけよう。というか俺は早く仕事を見つけよう。
あと早いとこ名前を決めよう。

今夜もソートー眠れない

この日は、出血多量でふらふらの妻は立ち上がることが出来ず、入院の病室に移らずに、分娩室でそのまま夜を明かすことにさせてもらったらしい。
小さな体でこんな立派な赤子を産んで、偉いぞ、わが妻よ。
(あとで聞いたら、「やっぱダメ」と言われてフラフラと病室に移ったらしい)

また明日も来るからな。妻よ、わが子よ。
俺は二人に別れを告げて、病院近くの西友でちょっといいビール(銀河高原ビール)を買い、家で一人祝杯を上げ、一日目の夜は更けた。
こうして日本の人口が一人増えたのだった。

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1日目 夜明け前(後)” への2件のコメント

    • ありがとうございます!
      同級生の名前は…。そうなったらなったでネタにするのでいいです!
      それまでこのサイトを放り出さずに続けられるといいなぁ。

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